20〜25話の義朝を振り返る

ご無沙汰してます。8月に入ったら復帰すると言いながら、オリンピック観戦にかまけ、なかなか平常生活に戻れませんでした。ああ、五輪も終わって、ぽっかり穴が開いた気分。男子サッカー、面白かったな〜!
平清盛』…いつの間にか第3部突入ですね。でも、うーん、玉木義朝時代が好きだったという贔屓目を抜きにしても、やはりトーンダウンしてる感は否めず。単純にストーリーが面白くない。残った、あるいは新しく出た役者に惹かれる人があまりいない。知盛とか徳子とか出てきましたが、なんの感慨も無く。このあたりは『義経』の時の方がまだワクワクしたのにな。まあ、これからももちろん見続けますけどね。もっか一番の楽しみは、神木義経の活躍です。早く源平の戦い始まらないかなー。

さて、『平清盛』では、ついに源義朝が退場してしまいました。玉木宏の熱く真摯な演技に酔いしれた半年間でした。最近ようやく、20話から28話まで義朝に絞って再鑑賞。いや〜、一気に見るとそのパワーが凄い。今となっては簡単な感想しか書けませんが、自分の覚書のためにも、ざっと振り返ってみます。

20話「前夜の決断」
保元の乱前夜、後白河陣営でただ一人、MAXの戦闘モードに入っている義朝。そのいきり立ちはやり具合がたまらない。玉木は本当に義朝の本分、そしてドラマとしての立ち位置をよく理解してる。
ここで一言。柘植デザインによる義朝の戦闘モードのデザインについて。何が見たいって、一番楽しみだったのが戦支度だったわけですが、さすが柘植さん、めちゃくちゃかっこいい義朝に仕上げてくれました。特に義朝の扮装で一番見たかった白鉢巻姿の男らしかったことったら!いかにもな真っ白な鉢巻はいやだったので、柘植さん流汚しの入ったヨレヨレの鉢巻が実にセクシーで素敵でした。奇をてらったオリジナル臭ぷんぷんとかでなく、正統派のシンプルな武者姿で本当に良かったです。(始まる前は若干心配だったので・笑)
21話「保元の乱
大鎧姿。大兜をかぶったシーンは意外に少なかったですが、かっこよかったですね〜。体重増やして貫禄つけてくれたのでより似合ってました。体重は増えたけど顔は太らなかったようですが、確かに、もう少し顔にお肉がついていたらより風格があがったのかもしれない。でも、とぎすまされた精悍さが出て、結果オーライかも。
兜姿も眼福でした。棟梁にふさわしい一段と大きな大兜があれほど似合うとは!兜をかぶると目の辺りが陰になってよく見えないじゃないですか。あれがまたかっこいいのよねー。面長のごつごつした輪郭、男らしく大き目の鼻と、厚めの唇…これらが揃ってこその完成度の高さです。若い俳優にありがちな、兜に負けて貧弱になったり五月人形になったりせず、力強い大人の男としての武者姿を見事に体現していました。
為義が義朝に斬りつけるシーン。腕で父の刀を受けるのですが、腕の鎧にあんな使い方があるとは。
「兄者の策かー!」義朝の台詞ではありませんが、何度見ても痺れるシーン。義朝と為朝のシーン、見たかったな…。
22話「勝利の代償」
「終わったのだー!」は残念だったなー!義朝も清盛も。その後の二人の戯言も。一番残念なのは脚本と演出ですが。しかし、義朝のもみ上げや襟足あたりの髪の乱れ具合は神だった!髪だけに!(爆)めちゃくちゃ男の色気ムンムンでしたね!
この回では刀の抜き方の決まり具合と、胡坐をかいて座るしの所作が実に素晴らしかった。両方とも、実にスムーズでこなれてて、見てて気持ちが良い。これらも練習もさることながら、時代劇特性の高さが物言う気がしますね。所作の美しさと力強さ、これは玉木宏の強力な武器のひとつですね。
23話「叔父を斬る」
義朝のなりふり構わなさ。顔は見えぬが落ちる一粒の涙。秀逸でしたね。
「親兄弟の屍の上にも雄雄しく立て。それがお前の選んだ道。源氏の栄華へと続く道じゃ」大好きな台詞。義朝の修羅の道を端的に表わす名台詞でした。
24話「清盛の大一番」
恩賞不満説。やはりこれがきたかー。がっかり。このへんって脚本の腕の見せ所ではないですか。なのに、もったいないなぁ。左馬頭という役職をいかにも低く、馬鹿にしたような演出脚本にむかついた。
だが、少年頼朝(中川大志)とのツーショットは眼福であった。全編を通してすごく似合いの親子でしたね。
義朝の緋色の装束の似合わなさを強調したかのようなメイク扮装がなかなかであった。この辺の負け犬演出は強烈でした。鞍まで磨かせるとは…絶句。
「殿の逃げ場にはなりたくない」と常盤。なんだかなー。由良もそうだが、常盤の描き方にも不満がいっぱい。
25話「見果てぬ夢」
頼朝にせがまれて清盛とのこれまでを回想する義朝。若き日の颯爽さと瑞々しさ、意気盛んさと現在のいい感じに枯れて渋みを増した姿の対比が一目瞭然で驚く。この義朝の年のとり方の演技プランは素晴らしかった。声も仕草も表情も、体型までしっかりと練られて変えていったのですね。これも大河ドラマの見所のひとつですからね。
そして今、父としての佇まいが素晴らしい。そしてもうひとつ、義朝邸に鷹をおいてくれてありがとう!
ついに信頼の策を受け入れ、信頼の館に集まる貴族達の元へ向かう義朝。刀を手に、覚悟を決めた冷徹な表情で。まさしく戦闘部門の頭、マフィアのボスさながらの武威に満ちたその姿に、痺れた。歩き方が実に様になっていた。肩を動かさず、腰をしっかりとすえた日本古来の武士の歩き方。ナンバ走りも修得していたし、玉木ってすごいな!部屋に入る直前に下手に回る正清とセットでかっこよすぎた。鬼のようにリピした。

校正もせず一気に殴り書きしてしまいましたが、ひとまず、続く。

平 清盛 三

平 清盛 三