波のかたみ―清盛の妻
- 作者: 永井路子
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1989/02/01
- メディア: 文庫
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本の前半までは、時子はお嬢様育ちでほんわかした可愛らしい雰囲気の普通の女性なのが意外でした。これって、来年の大河での時子役の深田恭子さんはピッタリかも…? さすがに後半は時子もしっかりしてきて、今度は『源義経』の松坂慶子さんが思い浮かんじゃいました。
平家一族を内側から家族目線や、一筋縄ではいかない親族目線で描いているので、それぞれの人物描写がめっちゃ興味深かったです。
時子の弟・時忠ってこんなに活躍(暗躍?)する人なんだーとびっくり。小説では清盛より活躍しているような印象すら持ちました。こりゃあ来年の時忠役の森田剛さん、おいしい役どころですね。機敏に立ち回る世渡り上手なイメージもぴったりかもしれません。
それと滋子がこんなに出来る女性だというのも今更ながらに驚く。来年は成海璃子ちゃんですが、ちょっとまだ彼女が滋子役をどのように演じるのか想像がつきません。やっぱり松田翔太さんの後白河共々、若過ぎる気がするんだよなぁ〜。
小説では清盛はむしろ出番は少ないですね。後半は福原にずっと単身赴任してるし、だから余計に時子のよきアドバイザー時忠が目立つのかも。でも時子目線の清盛は、女もけっこうこさえて時子を悲しませるけど、後は普通にいいダンナさんでした。話し方も現代調で書かれているから余計に普通の夫婦みたいです。後半の熟年の清盛夫婦を松山さんと深田さんで想像するのはちょっと難しかったけど、若い頃中心だからまあいいです。
時子たちの息子たち、特に知盛、重衡がかっこよかったのが印象的。『義経』では知盛は阿部寛さん、重衡は細川茂樹さんで、とても似合ってましたが、来年は誰がやるのかな。楽しみです。まさか重盛と宗盛しか出てこないってことは…ないよね?(汗)
あ、平家のお話なので、当然ながら、義朝さまはほとんど出てきませんでした。会話の中でちょっと触れられる程度です。また、当然出てくるものと思われた常盤も出番無しでした。時子目線の本なだけに、もしも、時子が常盤の存在を知らなかったという設定ならそれはそれで面白いと思ったのですが。史実かどうかはっきりしないからかもしれないですね。