第二夜

一夜は、ばら撒かれた伏線を、失敗を重ねたり試行錯誤しながらピックアップしていく過程が主でしたが、二夜ではそれらが芋づる式に回収され、どんどん手がかりが繋がっていき、そして最後はたたみかけるような尋問へ!どうよ、これがミステリの醍醐味だ!って感じで、実に面白かったです。試写で一度観たのにも関わらず、新鮮な感動を覚えながら、二時間強×2を堪能しました。映画よりも原作寄りなせいもあってか、過剰にウエットにせず、迫力重視のクライマックスでしたね。良かった良かった!原作のエピを丁寧に拾ってつなぎ、2011年ならではのオリジナルも巧妙に組み込み、単なるリメイクにはしないぞというスタッフの気概を感じました。ではでは、玉木@吉村を中心にお気に入りシーンをば。


なんといっても山場である取調べ室での吉村が圧巻! “見所”と言ってたのが超納得。20分もの長時間、そして長台詞の連続にも関わらず、途切れることの無い気迫。その臨場感と緊迫感の凄さに身震いがした。
和賀に「(飛行機に)乗りますよ」と言われた後のシーン。獲物を捕らえて離さない野生動物のような鋭い眼差しを向けつつ、すこしふんぞり返りながら座る仕草が好き。同時に背後の刑事達が出て行く一連が好き。「48時間で落とせるか?」のあたりもそうでしたが、最後には吉村を信頼し一任する刑事達の動きがなんともかっこいい。それにしっかり応える吉村の男らしく頼もしいことよ。男達の仕事現場という空気感がよく表現されてて、このあたりはさすが、刑事モノの得意なテレ朝だな〜と。途中、茶を飲む仕草も渋くて好きだし、取調べながらどんどん目の下が赤く充血していくのも“入魂”って感じで魅入ってしまう。
「秀夫 負けるでねぇっ!」のドスを効かせた台詞回しは、凄まじかった! の一言。いつの間にこんなに芸域広がっていたなんて! と、己の不明を恥じた次第でした。これらの鬼気迫る演技は、思えば、信長や真島でも見せてくれてはいたのですが、それらとはまた違った種の迫力を感じた。役者さん側に言わせれば、演じる役が違うのだから当たり前!と笑われちゃうかもしれませんが。
絵を和賀に見せるシーン。腹底から出でる火を吐くような怒声。ズシンときますね。素晴らしいの一言。今更だけど、玉木宏には刑事役が実に似合う! 真島〜吉村の連続攻撃にもう息の根止まりそう!


迫力ある演技も良かったが、笑わせてくれる台詞も良かった。真面目路線のドラマの空気に合わせた上で、可笑しみを誘う“間と表情”が絶妙。演技にセンスを感じます。特に西村さんとのやりとりは絶妙でした。
中谷美紀さんはさすがでした。ともすればうっとおしい役どころになりかねないところを、中谷さんだからこそ、品良く可愛く有能な大人の女性として成立していたと思う。玉木宏とのやりとりも相性の良さを感じさせ、二人の並びもバランスが良く、実に実にお似合いでした。もっともっと恋人同士としての二人を見てみたかったです。
ラストシーン、終わり方が好きだ。和賀邸に灯る明かりを発見し、ほっこりしつつ、自然な腕組みでゆったり歩き…ブラックアウト。・・・カッコエエーー!昔のフランス映画みたいにオサレだった。「和賀が好きだったのね」の台詞も良かった。切ないけれど希望のある終わり方なのは、吉村を主役にした賜物なのかも。


コメントありがとうございます!すみません、レスもうちょっと待ってくださいませ<(_ _*)>