感想

見てきましたよ!朝一で!実は今日行けないかも!?というピンチな条件が重なってて悶々としてたのですが、結局は自分がガンバりゃいいんだってことで、強行突破で無事鑑賞〜♪ポスターももらえたし、玉木山田両氏のコメント映像も見れたし。客の入りも上々でした。
さて、この映画ですが…。(ネタバレ注意)
どうしましょ、すっごく面白かったー!好きだわーこの映画!
ここまでセンス良くシャープに痛快なアクション映画に仕上がってるとは思いませんでした。もともとアクション映画好きなので、血沸き踊るシーンの連続は実に嬉しかったです。カーアクションは確かに長かったけど、インパクトを植えつけるために力入れたシーンだけあって、さすがに見ごたえあった。
それより、軍用機とアパッチの飛行シーンには燃えた!邦画でここまでやれるなんて、すっげー!!イーグルとはえらい違いだ。そもそもこのアクションシーンが際立つのも、邦画らしからぬスピード感とシャープなカメラワーク、セリフを多用せず、全編通してドライにカラッと仕上げてるせいだと思う。ここ、大成功だと思います。重いテーマを含んでるだけに、もしセンス無いスタッフならば一歩間違えるともっと陰惨でじめじめした作品になりかねないもんあぁ。こういうのが見たかったのよー!
バイオレンスも危惧してたほどグロくはなかった。もともと血ドバー!は得意ではない自分でも大丈夫だった。これくらいなら中学生以上には堂々とオススメできるかな。PG-12というのはけっこう的確かと思いました。監督インタでも言われてましたが、死ぬシーンを実に丁寧に撮っているのがよくわかる。実に印象的。同時に結城の非道さ無慈悲さがぐんと際立つ。上手いですね。
問題の同性愛要素。「大人の事情」云々はおいといて、個人的にはあれくらいでちょうど良かった。もともと映像で見るのは苦手だっていうのもありますが、全く無くても困る。結城と賀来の関係性が成り立たない。だがこの映画では、何も知らずに見る人にとっては疑問を感じる程度にはじゅうぶん匂ってる。玉木山田両氏の表情も物語っている。このさじ加減は実にいい塩梅だと思った。
そして、玉木宏の結城美智雄は、いやー、ため息が出るほどはまり役だった。予告で聞いた台詞回しに若干の不安を抱いていた件については、映画内のその場面で聞くと全く違和感が無かった。ていうかやっぱ、玉木の声は映画館向きなのかもしれないな。潜水シーンは見事でしたねー。見たかったシーンその1の期待を裏切らない見事な泳ぎ、そして筋肉!見たかったシーンその2の料亭密談シーン。姿勢のあまりの良さと、程よくわきまえてます的な悪への加担ぶりにしびれた。
それにしても、この映画では黒幕的存在の望月外務大臣。キャストが品川徹さんだけに、もっとおどろおどろしい演出もあり得ると勝手に危惧してたけど、意外に常識的な範疇での悪の匂わせ方なのがなにげに面白かった。氏に限らず、メディアにしても国家にしても、隠蔽に加担した側を思わせぶりに脚色しすぎてないのがなんか変にリアル。
それにしても、この映画、上にも書いたけど、語り過ぎないのがいいね。どの登場人物も必要最小限しか語ってない気がする。状況判断に任せ、見てる人の判断に任せるっていうのが心憎い。役者達はそれに応えられるだけの表情演技をしっかりこなしてるしね。その中でもダントツに語らないのが結城だったりしますが、基本無表情で無機質なだけに、軍用機内の最後の表情はぐっときました。
そしてまさかのラスト。痛快でした。主題歌の入り方もかっこよかった。
あーまた見に行かなくちゃ。今度はカレンダーもらいにも行かなくちゃだしね!

そうそう、好きなシーン。ついに結城がMWのサンプルにたどり着いたシーンがたまらなく好き。結城がMWの前に立つ〜ボンベの両側に手がかかるところね。色彩が実に鮮やかで幻想的というか漫画的で。あそこはすごく手塚ワールドっぽいと思った。