木洩れ日に泳ぐ魚

木洩れ日に泳ぐ魚

木洩れ日に泳ぐ魚

前回の「Op.ローズダスト」は、1日に50P読むのが精一杯、読了に二週間くらいかかったのに、この作品はあっけなく読み終えてしまった。恩田作品としては小品の部類ですかね。でも相変わらずの恩田節、中盤までの吸引力は凄い。ミステリアスなヒリヒリ感・緊張感がたまらない。でも、謎が解き明かされてくると、とたんにグダグダな着地になるのも恩田さんらしくて面白いといえば面白いのかも。なので中盤までは★4つ、ラスト★2つって感じではあります。
恩田作品では、私は「黒と茶の幻想」がすごく好きなのだが、今回もブナの原生林を歩くシーン(回想)がちょこっと出てきて、うっそうとした原生林の中で繰り広げられる心理描写は、「黒茶」を彷彿させて嬉しかった。設定としては「夜のピクニック」的な要素も含まれますね。
大筋は、一組の男女が別れを決意して、お互い引越しする前夜の部屋でのやりとり。読みながら、なんだか「Realize」を連想してしまいましたよ。2人とも同い年だし、まんま玉木宏伊藤歩でドラマ化できそうだ。

あ、BBSの方にこっそりお題出させてもらいました。私もまだ回答を思索中ですが。良かったらたまに覗いてみてください。