雨鱒の川

雨鱒の川 ファースト・ラブ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

川上健一の作品が好きなので原作を先に読んでいましたが、まさかこの作品が映画化されるとは思わなかった。自然の素晴らしさを瑞々しく描いてあるこの原作はとても優秀だけど、映画にするには地味すぎだろうとも思ってました。なので、玉木宏主演で映画化されると聞いた時は、嬉しいやら不安やらで複雑な心境でした。
玉木くんが演じる加藤心平は、絵を描くこと、魚を取ることしか出来ない朴訥で純粋な田舎少年。玉木くんは口数は少ないけど素朴でピュアな青年を好演していたと思います。ＷＨＩＴＥ撮影のすぐ後、恋愛小説の前くらいかな？本人が言うには「初めて」というくらい髪を真っ黒に変えて、体の線の細さはそのまま。でも透明感あふれる少年っぽさが素敵だった。方言をしゃべるので、時々「こころ」の匠か？って時もあります。酒蔵の倉庫にてしょんぼりと体育座りしてる様子がなんともいたいけ。
そもそもこの映画は心平とさゆりの子ども時代が半分を占めていて、玉木心平の出番はそれほど多くはない。でも、阿部寛さんとの共演はとてもエキサイティング。またいつか共演して欲しい。柄本さん演じる「秀二郎爺っちゃ」は原作ではとても癒される優しい人物でしたが、柄本さんが素敵に演じてくれたのが嬉しいです。綾瀬はるかさんとは「赤い運命」でも共演していましたが、のびのびした二人って感じで、番宣ではいい味出すコンビですね。綾瀬はるかが口のきけないさゆり役を好演していて、何度もウルウルしてしまいました。ちょっぴり不満なのは英蔵役の松岡俊介さん。上手い俳優さんで演技には文句ないんですが、あの髪型がヤダー。彼が出ると韓流映画を見てる気にさせられる。さゆりの子役を演じていたのは今大活躍の志田未来ちゃん。可愛かったですね。玉木心平の子ども時代を演じていたのは須賀健太くん。可愛いけど、健太くんから玉木くんになるのはちょっぴり違和感。

当時、この映画の撮影現場での玉木くん独占取材がＴＢＳ「ＪＵＳＴ」でありました。磯村監督が「玉木さんの個性である伸びやかさとかしなやかさを生かしてもらえればなと思っています」、ピーコさんも「横顔がとてもノーブルなのね。日本人でノーブルな子って少ないから、その品の良さを大事にして欲しいわね」とコメント。とても嬉しかったですね〜。例の凄く開くＶサインや初恋話も登場でした。ＪＵＳＴでは玉木くんをよく取り上げてくれてありがたかったけど、今のＴＢＳワイドショーはどうかな？
全体的にはどこか物足りないこの映画ですが、品の良い美しい映像と音楽を楽しむにはもってこいかも。これって本来は東北のお話なのですが、それが北海道になってしまったのは仕方ないのかな。大自然の風景がとても綺麗で、葉加瀬太郎のクラシックな音楽とベストマッチしていました。
皆さんが面白いとおっしゃるメイキングＤＶＤ雨鱒の川 撮影日記 ~小百合の想い出~ [DVD]、見たような見てないような・・あやふやなので、今度探してみます。