ただ、君を愛してる

映画館で見ており、ただ、君を愛してる 天国の森の恋物語 [DVD]も持っているのですが、やっぱり待ち遠しかった本編DVD。発売間もないので、まだ観てない人も大丈夫な感想にしたつもりですが、なるべく観てから読んでね。

スキナヒトガ スキナヒトヲ スキニナリタカッタノ
片思い、失恋の経験がある人には、たまらなく共感できる映画じゃないかな。もちろん自分も思い切り過去の青春(とほっ)を思い出してジワジワ〜〜ンと余韻に浸ってしまいました。可愛くて瑞々しくて、でもとっても胸がきゅーんとしてしまう、上質の純愛映画でした。
普通、原作を先に読んでいた場合、映画やドラマが原作と同様に楽しめるのは、自分の経験では圧倒的に少ない確率でした。最近では本当にドラマ「のだめカンタービレ」くらい。でもこの映画は原作の良さがちゃんと引き出され、原作と違う魅力もたくさん生み出している。数少ない映画化成功作だと思う。

この瀬川誠人に玉木宏はミスキャストだとかいう声は、発表後によく聞かれましたね。誠人は非社交的な大人しい感じの男の子なので。でもそんな誠人を玉木宏が演じるということは何を意味するのか。玉木くんのイメージとして持たれている優しさ、爽やかさ、穏やかさが引き出され、更に、実は誠人は素敵な男の子だってことで、静流が恋する気持ち、みゆきが誠人を気にかける過程にリアリティが出たと思う。
実際玉木くんは努力して誠人を上手に表現していました。少し猫背気味にとぽとぽ歩いてみたり、評判はあまり良くないけど声を高めに演技してみたりした上に、本来の天然っぽさが加味されて「永遠の初心者」ぶりが見事に出ていたと思う。
誠人は男男してないから筋肉隆々は似合わないので、このために痩せて筋肉を落としたのかしら。想像でしかないけれど。現にこの撮影の後に「氷壁」の撮影が控えていたのに、筋トレはしてないぞーって体してた。その代わり、「氷壁」では撮影が進むごとにムキムキになってった。(NYシーンは氷壁後なので、奥寺っぽい雰囲気がちょこっと)
玉木くんと宮崎あおいのW主演とはいえ、この映画では静流の魅力の方が目立っていたと思う。この作品のあおいちゃんは本当に可愛かったしけなげだったので、誠人の男臭さとは無縁な優しい男の子というキャラがインパクト弱くなってしまったのは仕方ないかと。でも、だからこそ、ふとした瞬間に見せる表情に男っぽい色気を発見してきゅーーんとなってしまうのです。玉木誠人、罪なヤツ。
そして後半の玉木誠人にはぐぐーっと引き込まれた。そして熱を出してうんうん唸りながら寝込む誠人が実にセクシー。セクシーすぎてNGが出たという、噂の病気誠人です。
NYでの大人びた誠人のビジュアルが最高ですね。玉木くんお得意の冬ファッションが実にカッコイイ。そして、あの一筋の涙は・・・もう何も語ることはありません。絶品でした。
特典映像も、千秋な玉木くん満載でちょーうれしい(死語)。フォトブックのクオリティの高さには驚いた。玉木宏 PHOTO STORY BOOK「ただ、君を愛してる」とは違った構成で、NY誠人も結構載ってたし、あくび誠人がカワイイ〜。写真三昧の映画だったからこそ、これほどにフォトブックが充実したのかしらね。二冊もフォトブックが出るなんて思わなかったもの。