いまだ引きずり中

NHK土曜ドラマ氷壁」は終わってしまったというのに、余韻が覚めやらぬまま。
見直してみて、いろんな再発見があり、感じ方にもかなり変化が現れてます。
不本意な出来として、あまり見直したくないと思っていた最終回も、ずいぶん冷静に受け止めることが出来るようになりました。

演出や時間が足りなすぎて、誤解を招くような奥寺と美那子の顛末。視聴者であるこちらが、イマジネーションを駆使すれば、かなり納得できます。まぁ、そこまでしないと納得できないってのも、ドラマとしてどうかとは思いますけどね。
が、ここまでドラマの人間関係について考えちゃうのって、このドラマが初めてかもしれない。それだけ人間の心の機微を描けていたということで、このドラマはある意味成功だった・・かも?

あの夕暮れ時の川辺での別れ。愛していながら身を引く決意をした美那子と、愛していながらも山と北沢に思いを馳せ苦しむ奥寺。二人の表情がすごく好き。ふっきれたんでしょうね。
美那子の持つバッグを見た時の奥寺の表情、そして、八代の元に戻りお茶を入れる美那子の表情にも、共通の感情を見ることができる気がします。別れを静かに受け入れた、大人の2人に戻っていました。

玉木宏が、この奥寺という人物を演じることができて幸せだ、というのもうなづけます。一筋縄ではいかない、相当の感情表現が必要な、難しい人物像。よく読み込んで演じきったと思う。ぜひまた、こういう硬派な、漢な役をやってね。


追記:演出 長沖渉(第1.2.6回) 土屋勝裕(第3.4回) 小林大児(第5回)
だそうです。やっぱりなぁ・・。私は断然第5回の演出が好き。