#23 叔父を斬る

面白い、面白くないを超越した、大変印象に残る回でした。
ドラマの出来としては、構成もいまいちだったしテンポも悪いしと、不出来な部分も目についたものの、役者の力技で持ってかれた!
また、多くの登場人物にとってのターニングポイント、楔のような回になりましたね。随所に4話との対比が見られるのも興味深かったです。


意外にも斬ってしまえた清盛、そして意外にも斬れなかった義朝。
特に義朝は意外性がすごく良かった。ここにきて、義朝の今までの苛烈な道のりと非情な行いを、尺は短いながらもしっかり描いてきたのが効いてますね。あの義朝が、まさかあれほど取り乱すとは。だが、意外と思われつつも、実は本来の義朝らしさでもあったという、伏線の回収も見事でした。


 −慟哭ー
これほど慟哭という言葉にふさわしい姿を見たのは初めてかもしれません。それほど、義朝の慟哭は凄まじく、胸に迫りました。
泣く男を「女々しい」とはよくいったものですが、今回の義朝には「女々しい」のカケラもない。むしろどこまでも男性的だった。暴力的なまでに壮絶な慟哭でした。義朝なら絶対このように感情の爆発をさせるに違いないと納得させるに十分だった。玉木氏の義朝への理解の深さを改めて実感。


そんな極限の演技をやってのけてしまう玉木宏は、本当にすごい。今までの泣きの表現の中でもダントツではないかしら。どうしよ、惚れ直してもうた!ていうか、どうせ泣くならしんみり泣くよりも、野獣のような慟哭の方が玉木氏には似合うってことがわかった。ギルティも良かったもんなぁ。
搾り出すような、壮絶な絶叫…たまらんです。やみつきです。リピが止まりません。