2009年上半期読了本一言コメント
1〜2月
「オレたちバブル入行組」 池井戸潤 ★★★★ レビュー済
「オレたち花のバブル組」 池井戸潤 ★★★★ 上作品の続編。今回も半沢の毒舌&反骨精神が冴えてます。若干、マンネリ風味になっちゃったのは否めませんが、シリーズ物として続きそうな雰囲気なのが嬉しい。
「不祥事」 池井戸潤 ★★★★ 連作短篇。花咲舞&相馬のコンビが問題のある支店の臨店指導をしながら、様々な不祥事を解決していくサマが生き生きと描かれていて面白かった。テラー業務はほんと、大変なんです・・。
「株価暴落」 池井戸潤 ★★★★ 巨大スーパー・一風堂を襲った連続爆破事件と、一風堂を支援すべきかどうかで揺れ動く銀行内部の攻防。推理小説と銀行小説の醍醐味を両方味わえるお得なストーリー。銀行の正義ってほんと、何なんでしょうね。主人公坂東のキャラが「オレたち〜」の半沢とほとんど一緒なのはご愛嬌。
「虚栄の肖像」 北森鴻 ★★★ 昼は花師、夜は絵画修復師の二つの顔を持つ男佐月恭壱の活躍を描く連作短篇第2弾。相変わらず北森ワールドは安定してます。
「果つる底なき」 池井戸潤 ★★★★ デビュー作にして江戸川乱歩賞受賞作。あの福井晴敏の「Twelve Y.O.」と同時入賞だったんだなぁ。確かにジャンルが全く違うので甲乙つけがたかったの判る気がする。初期ならではの硬い筆致がなんか好感もてて、作者が書きたかったテーマがひしひしと伝わってきて、その書きたいというエネルギーに惹きこまれました。出来云々というよりも、作品としての姿勢がすごく良かった。なんか感動した。
「銀行狐」 池井戸潤 ★★★★ 初期の頃の短編集。ミステリー仕立てで面白い。「果つる底なき」の主人公伊木さんが出てきたのは嬉しかった。
3月
「TOKAGE 特殊遊撃捜査隊」 今野敏 ★★★★ またしても銀行内の事件で、池井戸ワールドの続きのような錯覚をおこしそうでした。けっこう途中で結末がわかっちゃったりするけど、犯人と警察・銀行員たちの交渉が面白かったです。登場人物の造型がもっと欲しかったかな…。
「銀行総務特命」 池井戸潤 ★★★★ 連作短編だが、安定して面白いなぁ。主人公指宿修平がけっこうハードボイルドで渋い。
「M1」 池井戸潤 ★★★
4月
「銀行仕置人」 池井戸潤 ★★★ 巧妙な罠に嵌り黒部一石は出世街道から、真っ逆さまに落ちる。が、底から這い上がり悪を裁いていくサマがかっこいい。これだけ池井戸モノを読んでると、すっかりパターン化しているのが分かってくるが、それでも面白いものは面白い。
「仇敵」池井戸潤 ★★★★ しがない庶務行員かと思いきや、元はバリバリのエリート行員だった主人公恋窪がとても良い味出している。
「最終退行」池井戸潤 ★★★