#44龍馬死すとも

正直、最近の『篤姫』自体にあまり魅力を感じなくなってしまって、坂本龍馬のためだけに見続けていたようなところもあったわけですが・・・。まだ薩摩時代の方が面白かったなあ。菊本とかお父さんとか良かったなぁ〜。まだ『功名ヶ辻』の方が面白かったなぁ〜。当時は不満もあったけど、半端ない演出やマニアックな描写がけっこうあって、たとえ康豊が出てなくともとても面白く見てた。今回でもって私の『篤姫』は最終回のような気分です。ここまできたからにはくやしいので、全話視聴完走しますけどね。
さーて、いよいよ大政奉還です。と、その前に出ました!船中八策坂本龍馬の大手柄をしっかりやってくださってありがたい。薩土盟約までやるなんて!後藤象二郎中岡慎太郎ここにきてやっと登場!大政奉還では、小松帯刀が頑張ってましたね。無事に大政奉還が成って、それでもひょうひょうと良い具合に力の抜けている龍馬のマイペースっぷりにはなかなか感心しました。海の果てまで行きたいんだもんね。世界の海援隊だもんね。ああ、なんかしんみりしてしまう。
さーて、岩倉具視と西郷大久保の黒い会話・・。もしや、龍馬暗殺の黒幕は薩摩?ととられてもおかしくない演出です。・・まあ、実行犯は見廻り組とか新選組(そういや、今回「こなくそ!」と言ってましたな)とか説があるようだけど、実際、誰がやってもおかしくない状況だったんでしょうね。
月琴を弾くお龍。ふいに弦が切れ、悪い予感を感じるお龍。ベタベタな演出ですが、お龍さん、良い表情でした。
そして前触れも無く、いきなりの近江屋襲撃。またしても史実といわれている成り行きを変えてきていますが、そこにどういうメリットがあるのか激しく疑問。刀の鞘で応戦する龍馬、「わしはもうだめだ、頭をやられた」とつぶやく龍馬が見たかったのですが、こういうことは言うだけヤボってことですか・・。暗殺ですから、あっさりあっけなく斬られて終わるというのは良かったと思う。帯刀と未来を語っちゃったシーンが回想されちゃいましたけど、長々と回想せずにあれくらいで済んでよかった。「おりょう・・」には、なぬん!?と思っちゃいましたけど、それが最後の言葉でなくて良かった。「ちっくと寒いき」・・・なかなか良かったです。
それにしても、玉木宏はなんて死ぬ役が似合うんだろう。見ごたえのある暗殺シーンでした。玉木龍馬の真骨頂、本領発揮ですね。襲われ方、斬られ方、這いずり方、ぷるぷるとした手の動き、一筋の涙・・絶品でした。死ぬ間際の表情が壮絶に色っぽかった。青暗い照明に照らされた、ぷくんとした唇、たっぷりと影を落とした長い睫毛。思わず顔を横にして見入ってしまったのは私だけではあるまい。ああ、切ない・・・。と、せっかくしんみりしていたのに、続くシーンで、坂本さんの訃報に嘆き悲しむ帯刀さんの意味不明な「あ“っ?」で、家族中で爆笑してしまったではないか。瑛太くん熱演しすぎ・・(汗)また地面たたいて泣いてしまいましたね。いったい何度目でしょうか、帯刀さん。
天璋院に、龍馬の功績や思い出を涙目で語る勝さんにはじーんときてしまいました。でも、しょせん主役は天璋院篤姫。小松と坂本に負けないように、私も覚悟をします、と、最後においしいところをすべて持ってってしまう篤姫さまなのでした。
ともあれ、全体を通して、先例にこだわらない玉木ならではの龍馬像がよく出てて好感が持てる龍馬でした。玉木さんお疲れ様。2ケ月間楽しかったです。