原作読んだ

雷撃深度一九・五 (文春文庫)

雷撃深度一九・五 (文春文庫)

原作『雷撃深度十九・五』読みました。すごく面白かったです。半分は史実かぁ。解説を読むに、映画化のために脚色したものの、その企画は宙に浮いてしまい、だがそれを元に小説化したものが本作品のようで。それを考えると、こうして12年後に映画化が実現されたというのはなんかすごいなあ。もともとは史実で、それを脚色した原作があり、さらにその原作に脚色を加えて映画化されるという複雑な経緯・・・映画化ってホント大変ですね。でも昨日の「ローレライ、浮上」読んでたら、原作者・監督・製作・脚本家・他たくさんの人達のパワーと協力が不可欠であるというのもよく判ったよ・・。簡単に「原作の方が面白かった」とは言うべきじゃない気分にさせられたもんなぁ。

原作では、主軸が3人いるんですね。伊58艦長倉本、歴戦の猛者永井少将、インディアナポリス艦長マックベイ。この3人のキャラが立っていてなかなかいい。まあ一番おいしいとこ持ってってるのは永井少将ですが。ヤマトでたとえるなら、倉本が古代進で、永井が沖田艦長みたいだ。そうすると、マックベイはデスラーか?ちがうかー(byものいい)
この原作で真面目に映画作ったら、とても有意義で面白い作品になるだろうというのは感じた。戦闘シーンも非常によく出来てて面白かった。このまま映画にも使えちゃいそうだが、福井さんならなにかもっと仕掛けてきそうです。また、原作だけだと華が足りないというのも確かに感じます。ドキュメンタリータッチだし男ばかりなので、地味で真面目になりすぎちゃうのでしょうね。そこで、永井は多分倉本と合体させ、有沢兄妹の登場と。志津子と倉本は想いを寄せ合う仲かぁ。ロマンス入れてくるんですね。でもごくごく控えめにお願いします。男女のロマンスよりも男のロマンが見たいでーす。(どうやら今日の脳内はヤマト仕様のようです)

東宝のサイトに『真夏のオリオン』のあらすじがUPされたので、原作と読みくらべると面白い。インディアナポリスではなく駆逐艦との戦いに変更されているのだが。史実の割合を減らしていく方向でしょうか。「三昼夜にも及ぶ激戦」というのにしびれました。壮絶な死闘を繰り広げてくれそうで楽しみなのだが、「決して諦めず、生き抜こうとする」主人公たちの姿が重要そうなので、実際にはあまりじめじめした映画にはならなそうな予感。

永井にいいとこ持ってかれてるとはいえ、艦長倉本孝行も十分にかっこいい。倉本のセリフやきびきびした行動が玉木宏で容易に思い浮かべられる。今の玉木くんの陰影のある精悍な顔立ちもこの倉本役にマッチしていると思う。あの野太い低音で号令を発するのかと思うと、今から腰がくだけそうです。これはけっこうはまり役になりそう。軽やかに艦橋へ上り下りする姿や、水かぶってずぶぬれの姿や、長期戦ゆえの薄汚れた無精ひげ姿も拝めるかもしれませんね。じゅるっ
キャスト
倉本孝行(玉木宏)・・・・潜水艦イ−77の艦長
有沢義彦(堂珍嘉邦)・・・潜水艦イ−81の艦長で主人公の親友
坪田誠(平岡祐太)・・・・潜水艦イ−77の軍医長
中津弘(吹越満)・・・・潜水艦イ−77の航海長
桑田伸作(吉田栄作)・・・潜水艦イ−77の機関長
田村俊雄(益岡徹)・・・・潜水艦イ−77の水雷
ほぼオリキャラの有沢役を除いた坪田以下4人のキャストはみんなイメージぴったり。年齢的にも役者さんたちの個性的にも、とてもバランスがとれていて良い感じだ。あと判ってるキャストは鈴木拓さんと伊藤ふみおさんですね。鈴木さんは今シバトラに出演しているけど、あのとぼけた味わい、なかなかいいです。さて、志津子は誰だ!?気になるー!あらすじ読むと、イメージしちゃうのは上野樹里なのだが、絶対違うだろうし。誰なんでしょうねー。誰か予想してくださーい(^-^)/ 
そうそう、原作者池上司さんは、なんと池宮彰一郎氏の息子さんなんですねー!びっくりした。去年の信長祭りの一環で、池宮さんの「本能寺」読みましたよ。面白かった。(一言感想はこちら