U・ボート

昔に見て「凄かった」という記憶だけで、どんなストーリーなのかはすっかり忘れてたが、先日BSで放送されたものを見ていたら、だんだん思い出してきた。そうそうこれこれ、この緊張感、息詰まる極限状態。私の潜水艦好きの原点はやっぱりこの映画だったのかもしれないなあ。戦争モノの中でもかなり好きな作品のひとつです。
とにかく、潜水艦が海面に浮かび上がるだけで、海中に潜水するだけで、なんか身震いしてしまう。そしてUボートが海原をトビウオのように跳ねながら疾走する姿がめっちゃカッコイイ。潜水艦の独特なフォルムも大好きだが、自分はメカ音痴なので、海中に潜っていられるその機能に単純に「スゲー!」となってしまう。海中という特殊な環境下を移動するからこそ、様々なドラマも生まれるわけなんですね。
この『Uボート』は、まずドイツの潜水艦の映画だというところが大変レア。ベタでシンプルなストーリーはまるでドキュメンタリー映画を見ているようだ。本当に地味で狭い狭い艦がまた汚くて臭そうで、息苦しそうで、すっごくリアル。登場人物たちも皆地味で男臭い人達ばかり。そこがまたリアル。
osenさんが寄せてくださったコメントに、「潜水艦乗りは、軍人である前に根気強いエンジニアでなくてはならない印象」とありました。本当ですよね。的確な表現がさすがです!この映画のキモは、戦闘シーンよりもむしろ、後半の決死の浮上を試みる部分にあると言っても過言じゃない。皆一丸となって、潜水艦の修理に携わるエンジニアぶりが圧巻でした。潜水艦乗りが皆持っている、決してあきらめない不屈の闘志は本当に凄い。皆が協力しあわないと決して生き残れない、この絶対的な運命共同体もまた、潜水艦映画の見所のひとつですね。
『レットオクトーバー』も『ローレライ』も面白かったけど、この『Uボート』は潜水艦映画として別格の感があります。
このUボートの艦長は、弱冠30歳にして兵たちからオヤジと呼ばれていたそうではないですか。・・終戦間近であれば尚のこと、若い艦長はけっこう有りなのかな?モデルになったという方も33歳で初艦長だったようで。「真夏のオリオン」原作「雷撃深度十九・五」が手元に届きました。今読んでるのが終わったら読み始めたいと思います。