信長の棺

信長の棺

一言で言うと面白かったです。歴史小説ですが、文章が現代的なので読みやすく、どんどん読ませるパワーを感じました。ミステリ仕立てなのも最後まで飽きさせない要因かも。
織田信長の唯一の伝記である「信長公記」を書いた太田牛一が主人公というのがまず面白い。私などは歴史音痴なので、信長の遺体がついに発見されなかったことも知りませんでしたが、やっぱり織田信長は好きな人物ですので、牛一の信長様大好きっぷりが読んでてとても嬉しかった。信長は残虐非道で有名でしたが、実は良いところもたくさんあったんだよ、と教えてもらえたのが収穫です。
信長の遺体の行方を突き止めるまでの、主人公太田牛一の紆余曲折・波乱万丈ぶりもなかなかでしたが、遺体の行方を突き止める前にまずは完成させたいと願った「信長公記」を書き上げるまでのエピソードがやたら面白かった。当時の「作家」とは本当にこんな感じだったのかも？と想像するのも楽しいですね。
次々現れる歴史上の有名人もイメージ通りの描かれ方だし、本能寺の変前後の当時の世相や生活、文化が垣間見られるのも楽しかった。正直、一番の目的である三部作３作目の主人公「明智左馬助」がたまに登場（というより言及）するのが楽しかった。３作目早く読みたーい！
あー、去年やってたドラマ見とけば良かったなぁ。牛一役をされた松本幸四郎さんは、原作読んでてもイメージにぴったりだし、松岡昌宏さんの信長もぜひ拝見したかった。
さぁさぁ次は「秀吉の枷」だ。ずっしり上下巻・・・ため息（苦笑）