2007年読了本一言コメント〈9月〜〉

9月
「本能寺」(上)池宮彰一郎 ★★ 信長をひたすら肯定している小説です。ちょっとやりすぎで無理があるけど、でも信長はやっぱりかっこいい。

「本能寺」(下)池宮彰一郎 ★★ 本能寺までの信長が中心で、肝心の本能寺のシーンがちょっとしかないのは残念。でもここに出てくる光秀も素敵です。本能寺の変の真相に、こういう解釈もなかなか面白い。幸若舞『敦盛』のあの有名な一節が裏テーマ?

「天才信長を探しに、旅に出た」(文庫版では「信長街道」に改題)安部龍太郎 ★★★★ 小説ではないが、信長の一生をゆかりの地を訪ねながら分かりやすく解説してくれる。本能寺の変の最新の有力説も納得がいくものだった。この取材を元に書かれた『信長燃ゆ』も読んでみたい。

「真説 本能寺」桐野作人 ★★ 良いこと書いてあるのだが、歴史素人にはちょっと辛かったなぁ。後半は斜め読みでした。細かい資料文章引用、膨大な人物の登場数に頭こんがらがった。細かいだけに、本能寺の変当日、隣の二条御所から逃げ出した一人に山内康豊がいることをちゃんと言及してあって嬉しかったりもしたけど。

「集中講義 織田信長小和田哲男 ★★★★ 分かりやすい解説と、信長への理解度の高さが心地よかった。信長入門にはうってつけの本だと思う。信長が成した功績の偉大さに感動した。

「信長」秋山駿 ★★★ すべてを鵜呑みにしようとは思いませんが、ここまで深く信長の精神のあり方を示してくれたのは貴重。引用が多すぎてすっ飛ばしながら読みましたが、けれんみたっぷりに信長をかっこよく描写していて嬉しかった。

「戦国時代の大誤解」 鈴木眞哉 ★★ テレビドラマや大河で常識になってる人物像や事件の通説が実は間違ってる??本当はこうだったんだよ、と分かりやすく書いている。でも、納得できるのもあれば、推測の域を出ないのもあるような・・・この人のは、最近出た「信長は謀略で殺されたのか」ってのが優秀らしいので、読んでみたい。

「逆説の日本史10 戦国覇王編 天下布武と信長の謎」井沢元彦 ★★★★★ 今まで読んだ関連本の中で一番!今まで定説となっていた事例の本当の姿を判り易く解説してくれる。推測の域を出ていなくとも、説得力があるので、これはかなり真実に迫っているのではないか?本能寺の変の真相についてもいろんな説が出た中で、井沢氏は光秀の単独犯を主張。賛成できる。また、本願寺との11年の戦いについての解説には感動した。宗教と政治の乖離を実現させたのが信長の最大の功績なのかもしれないな。

「戦国の影法師 もうひとつの意外人物列伝」武田鏡村 ★★★ ふーん、宗教家の方でしたか。どうりで信長に辛口なんだな。上述の「逆説の日本史」の本願寺と信長の戦いを、顕如側から解説しているが、顕如らが先に仕掛けた事件についてはスルー。不公平です。まぁ、本願寺側の舞台裏を読めたのはそれはそれで面白かったけど。あと、信長の遺体の件で、清玉が登場している。でもそれほど参考にはならなかった。信長時代に来た宣教師の話や、千利休と古渓宗陳の話は面白かった。

10月〜12月
信長の棺加藤廣  再読

明智左馬助の恋」加藤廣  再読

篤姫」上 宮尾登美子  ★★★

篤姫」下 宮尾登美子  ★★★★

竜馬がゆく」(1)〜(8)司馬遼太郎  ★★★★★