原作感想

鹿男あをによし

鹿男あをによし

全体的にまったりした雰囲気です。特に前半、あまりののほほんさに、途中で2度も居眠りしてしまった。でも中盤にさしかかって、三校対抗の剣道の試合が始まったあたりからテンポも良くなって面白くなってきました。最後も書き込み不足は否めないものの(わざとなのかなぁ?)、爽やかな読後感です。これは中高生向きかなぁ。ほんのちょっぴりハリー・ポッターも彷彿させますね。恩田陸の「まひるの月を追いかけて (文春文庫)」のように、奈良の史跡めぐりの旅みたいな場面も出てきます。興味ある方はぜひそちらも一読してみてください。
続いてキャラについて語ってます。大事なネタバレはしてませんが、ちょっとでもネタバレいやんな方はご注意くださいね。




主人公「おれ」は「君は神経衰弱だから」と言われてますが、その辺が描写不足であまりリアルに感じられない。でも、ヘタレでもダメ教師でもないですね。どっちかというと、気難し屋で潜在的な熱血漢じゃないかな。
一応このドラマではヒロインの女子高生の堀田イト。かなりのツンデレでなかなか良いキャラクターです。ドラマでもヒロインを堀田イトにしたほうがいいと思うんですがねぇ。
ドラマでは女性化させて綾瀬はるかさんが演じる、「おれ」の同僚の教師、藤原くん。のほほんとしたこれまた癒し系キャラです。なんとなく荒川良々を連想しながら読んでしまいました。
「おれ」の同僚教師でもあり、「おれ」の下宿先の息子でもある重さん。飄々としていて優しくて女子にも人気とのこと。堺雅人さん来ないかなー。
教頭先生リチャード(あだ名)。ロマンスグレーの素敵なおじ様なのだが、ひとくせあるキャラ。さて、誰なんでしょうか。
姉妹校の剣道の顧問の先生「マドンナ」・・品があって綺麗どころをぜひよろしく!
歴史的な謎を解くというよりは、神話伝説言い伝えの世界の感が強いです。鹿がしゃべるくらいですからね。この親父声の鹿の声は誰が担当するんでしょう。森山周一郎さん希望。渋すぎるかなぁ。
「おれ」はこの鹿によって、どんどん鹿化していくわけですが、その辺をどう表現するのか。鏡に映った姿だけが鹿であれば良いので、そんなに心配することはないかもしれませんが、特殊メイクで来るのか、CGで来るのか、楽しみ半分、不安半分。
正直、この原作では不安。ドラマ化するには少々インパクト不足な上に荒唐無稽って・・。一体どうなるんだろう。これはかなり脚本の人に頑張ってもらって、肉付けしてもらわないと。いつもは「原作に忠実であれ派」ですが、この作品に限っては、原作は「原案」で良し。それでドラマが面白くなるのなら、かなり設定変えてもらっても結構です。ちょっと辛口になってしまってすみません。