獅子の時代と徳川慶喜

今クールは民放のドラマはひとつも見てないのですが、毎日「カーネーション」を夕食時に家族で見て、その後ひとりで時専でやってる大河ドラマ獅子の時代」「徳川慶喜」を録画で見て、お腹いっぱいになってます。
獅子の時代」は1980年の大河ドラマ。幕末〜明治維新の動乱を会津の武士・平沼銑次菅原文太)と、薩摩の郷士・苅谷嘉顕(加藤剛)という架空の主人公が生き抜いていく様を描いています。
正直、開始早々のパリーが舞台の頃は「ながら見」でしたが、主人公2人が日本に帰って会津戦争に巻き込まれてからはもう釘付け!!生々しさとド迫力と骨太さと重厚さ!これって理想とする大河ドラマに限りなく近いのでは〜。
菅原文太って今まで好きでも嫌いでもなかったけど、このドラマの菅原文太は凄いですね〜。血気盛んな生命力と、懐の大きさ、スケールの大きさ!ものすごく頼もしい。加藤剛はさすがの美形でかっこいいですが、菅原さんの存在感にはかすんでしまいがち(今のところ)。
登場人物が皆、ちゃんとその時代の価値観で生きているのがいいですね。「武士道に反すれば切腹は当たり前」「家族のことよりお城のことを思え」「おめおめと生き長らえるよりは討ち死にを選ぶべし」「女の子を産んでしまったからには自刃しなくては」等々…会津の武士階級の規律は特に厳しかったにしても、会津戦争はとりわけ悲惨だったにしても、その壮絶な歴史を余すところ無くドラマ化する。歴史にきちんと向き合い、史実を大事に扱ってこそ、登場人物たちも血肉を与えられ、その時代を生きることができる。これぞ大河ドラマですよね。当然のように、出てくる人達みんな汚いし血みどろです。戦争中ですからね。
当たり前のようだけど、ここ数年の大河は現代の価値観に置き換えられた気持ちの悪い話が多かったですからね〜。特に今年の大河のスカスカ感・未来人大集合〜からは対極のところにある、大河ドラマの見本のようなレベルの高さです。
この大河は「黄金の日日」と同じプロデューサーなんですね。さすがです。脚本は山田太一さん。「星ひとつの夜」の方なので、ああいう感じにこの大河も長台詞だったり淡々とした脚本かと思ったらそうでもなく、意外にストレートな感じなのも観やすいです。あ、でもくどくど同じこと言ってるキャラもいますね、そういえば。
再来年の大河「八重の桜」でも会津戦争が出ますよね。大丈夫なのかなぁ〜(汗)


で、もうひとつの「徳川慶喜」は1998年の大河ドマ。慶喜役は元木雅弘。「獅子の時代」の直前の時代ですね〜。しかも菅原文太大原麗子と、役者もけっこうかぶってます。が、作風は全然違い、こちらはベースは軽妙で見やすいです。が、けっこう史実を時間を割いてしっかり盛り込んでいるので、真面目な作りだなーと思う。元木さんの慶喜公、なかなかいいです。早く「坂の上の雲」が見たいよ。


どっちの大河も役者さん達が上手いですよね。今の大河みたいに現代っ子そのままの演技をする人はいないですもん。脚本もしかり。どうしてこうなったんだろうなぁ〜。昔に戻れ、とは言わないけど、大河ドラマはせめてまっとうな時代劇であってほしいです。